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【2024年版】マリンバ購入ガイド｜価格、音量、音域、自宅環境などに応じたおすすめを紹介

11/25/2024

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現役の打楽器奏者の視点から、2024年現在、日本で買うことのできるマリンバ（木琴）の説明と、用途や環境に応じたおすすめを紹介します。

１．音量（音出しの可否）

マリンバはどの楽器であれ、ある程度の音量と振動が発生します。演奏場所（ご自宅やスタジオなど）の遮音性が低い場合は以下のいずれかをおすすめします。4オクターブ以上のマリンバはかなりの音量になります。

音量小：電子マリンバ「malletKAT」はゴムのような素材を鍵盤に使用しているため消音性に優れており、集合住宅でも使用できます。ヘッドホンを使うことで周りに迷惑をかけずに大きな音を楽しむことができます。（類似品に「malletSTATION」や「Xylosynth」がありますが、これらは素材が薄いシリコンや木材が金属に貼られた形状のため、叩いた時に「ダンッ」「ゴツッ」という音がするためおすすめしません。）
音量中：木琴「RM40」は共鳴管と呼ばれる音を響かせる部品が付いていないため、音の長さが短くなります。柔らかいマレット（ばち）を使うことでさらに音量を抑えられます。ただ、壁の薄いアパートなどでは難しいでしょう。
音量大：小型（3 2/3オクターブ以下）のマリンバの共鳴管を外すことで音量を抑えることができます。4オクターブ以上のマリンバにある低音域は壁や床を伝って隣の空間に音が漏れる力が強くなっているため、より強固な対策が必要になります。

２．音域

マリンバの音域は2オクターブから5 2/3オクターブまであり、演奏できる曲の種類の多さに直結します。

2オクターブから2 1/2オクターブ：簡単なメロディを弾くことができます。いわゆるマリンバソロは難しいでしょう。アンサンブルのレパートリーもかなり限られます。「とりあえず木琴を叩いてみたい」という場合におすすめです。マリンバというよりシロフォンの音色に近いですが木琴ではあります。マリンバよりも音域が高いものもおります。
3オクターブから3 1/2オクターブ：たいていのメロディ、一部のマリンバソロ、一部のアンサンブル曲を弾くことができます。「一人でポップスのメロディを演奏するだけ」という場合におすすめです。
4オクターブから4 2/3オクターブ：メロディ、多くのソロを弾くことができます。ほとんどのアンサンブル曲を演奏できます。「マリンバソロに挑戦したい」「吹奏楽などのアンサンブルで使いたい」という場合におすすめです。
5オクターブ：4マレットの高難易度なソロを含め、世の中に出回っている曲のほとんどを弾くことができます。ごく一部のソロ曲のみ演奏できません。「難しいソロ曲に挑戦したい」という場合におすすめです。
5 1/2オクターブ以上：音楽大学やコンサートで取り扱う現代曲の一部など、きわめて稀なケースのみ必要になります。「とにかく一番いいものが欲しい」「5オクターブ以上必要な現代曲が演奏したい」という場合におすすめです。

３．スペース

マリンバは大型の楽器のため、演奏場所のスペースを確認する必要があります。楽器のおよその大きさ（サイズ）は以下の通りです。

2オクターブから2 1/2オクターブ：幅100cm-130cm、奥行き70cm-80cm
3 1/3オクターブから3 1/2オクターブ：幅130cm-160cm、奥行き70cm-80cm
4オクターブから4 2/3オクターブ：幅170cm-230cm、奥行き80cm-100cm
5オクターブ：幅240cm-280cm、奥行き100cm-120cm
5 1/2オクターブから5 2/3オクターブ：幅280cm-300cm、奥行き100cm-130cm
電子マリンバ：幅80cm-200cm、奥行き30cm

４．鍵盤の素材

マリンバの鍵盤の材質は次の4つに分類することができます。

ローズウッドという木が最も高級です。深みのある音と大きな音量が特徴です。過剰な伐採によってその数が不足しており、輸出入が禁止された時期もあります。
パドック（パドゥク）という木はローズウッドよりも少し音量が小さく、値段が大きく下がります。音色の違いはありますが、そこまで大きな違いではありません。コンサートやアンサンブルでも十分使用可能です。
上記の木材を真似たものとしてアクースタロンなどの合成素材があります。一般的に値段が大きく下がり、耐久性が上がるメリットがあります。音色は大きくは変わりません。コンサートやアンサンブルでも十分使用可能です。
電子マリンバ「malletKAT」は金属の上に厚みのあるゴムを乗せた構造になっています。前述の通り、音量と振動が抑えられるメリットがあります。音色はヘッドホンやスピーカーから聞こえますが、ヘッドホンを使用しているとき、周りには「ポンッ」「ポコッ」という打音が聞こえます。音色が自由に設定できるため、コンサートやアンサンブルでも十分使用可能です。
電子マリンバ「malletSTATION」や「Xylosynth」は金属の上に薄いシリコンあるいは薄い木材を貼り付けた構造になっています。マリンバなどの音色はヘッドホンやスピーカーから聞こえますが、ヘッドホンを使用しているとき、周りには「ダンッ」「ゴツッ」という打音が聞こえ、衝撃はかなり床に伝わります。音色はパソコンを使えば設定できますが、打音が大きいため小さい会場のコンサートやアンサンブルには向きません。

５．ブランド

現在日本で購入できるマリンバには以下のようなブランド（メーカー）があります。マリンバを長く作っている老舗、国内で対応できる会社の方が点検や修理に安心感があります。また、メーカーに直接相談できず楽器店を経由する必要がある場合は楽器店の場所や楽器店の店員の知識量によって不便がでる可能性があります。

YAMAHA（ヤマハ）は日本企業で中価格帯から高価格帯のマリンバを製造する老舗です。直接の販売はしておらず購入するには楽器店を経由する必要があります。
ADAMS（アダムス）は中価格帯から高価格帯のマリンバを製造するヨーロッパの老舗ですが国内に代理店があります。直接の販売はしておらず購入するには楽器店を経由する必要があります。
KOROGI（こおろぎ）は日本企業で低価格帯から高価格帯のマリンバを製造する老舗です。楽器店で購入することができます。
Saito（サイトウ）は日本企業で様々なマリンバを作っていましたが、一度倒産してしまいました。近年、いくつかの機種に限定して販売を再開しました。
Alternate Mode（オルタネート・モード）は中価格帯から高価格帯の電子マリンバ「malletKAT」を製造するアメリカの老舗です。国内に法人があり、直接購入することができます。点検や修理も直接行うことができます。
Pearl（パール）はシンセサイザーの会社と共同開発した中価格帯の電子マリンバ「malletSTATION」を2019年から販売しています。直接の販売はしておらず購入するには楽器店を経由する必要があります。
Wernick（ワーニック）は電子マリンバ「Xylosynth」を製造するイギリスのメーカーです。ウェブサイトから購入できますが、英語でのコミュニケーション、ポンドでの支払いが必要です。

６．可搬性（持ち運びのしやすさ）

可搬性については、機種によって差があります。組立、分解のしやすい構造になっているものが各社から展開されていますので、持ち運ぶ可能性がある場合は検討しましょう。
4オクターブ以上のマリンバは共鳴管がとても大型になるため、2人以上での分解、組立が必要で、車のサイズによっては収まらない場合、1台で運べない場合があります。
電子マリンバは一般的に可搬性に優れています。
オクターブ当たりの重さが最も軽いのは「malletKAT」で、電車で運搬することも可能です。マリンバ以外の楽器（ビブラフォンやティンパニなど1,000種類以上）が搭載されている「malletKAT GS」という機種もあり、全体的に運ぶ楽器の量を減らすことができます。
電子マリンバのうち「malletSTATION」はパソコン等に接続しないと音が出ないため、パソコンやオーディオインターフェースなどの機器を持ち運ぶ必要があります。

７．大きな違いのない要素

耐久性についてはどの楽器も大きくは変わりません。鍵盤に木材や似た素材を使っている楽器は割れが生じる可能性があります。また、木材を使用している湿気や気温によってピッチ（音の高さ）が変わることがあります。
高さは演奏感に影響があります。小さな子どもは台に乗る等の手段で調整できますが、それ以外の場合、高さは調節できるものが良いでしょう。
「教育用」「入門用」「コンサート用」などのシリーズはあまり参考にする必要はないでしょう。例えば「教育用」のマリンバを使って大きなコンサートを行うプロの打楽器奏者も多くいます。
点検、修理などのメンテナンス費用は大きな違いはありません。ただ、国内で完結できる、メーカーと直接やり取りできる、長い期間の販売実績がある場合には安心感があります。
マレット（ばち）はどれも共通しています。

８．他に必要になるもの

卓上木琴や電子マリンバは数千円から1万円程度のスタンドが必要になります。
電子マリンバはヘッドホンあるいはスピーカーが必要になります。これは数千円から数万円程度です。
電子マリンバのうち「malletKAT」「Xylosynth」は単体で動作しますが、「malletSTATION」はパソコンやオーディオインターフェースへの接続とプログラムの設定が必要になります。
移動を考えている場合、ケースが必要になります。楽器専用のケースを購入しておいた方が安心でしょう。大型の楽器では数十万円、小型の楽器では数万円です。湿気や衝撃のことを考えるとハードケースが安心ですが、ソフトケースに比べて重量があります。

９．マリンバの価格一覧

各マリンバのブランド、機種名、オクターヴ数、素材、およその価格は以下の通りです。

KOROGI ECO32 2 1/2 パドック 3万円
KOROGI RM40 3 1/3 パドック 9万円
Pearl malletSTATION 3 シリコン 17万円（パソコン代別）
KOROGI 606K 4 パドック 18万円
KOROGI 400K 2 パドック 19万円
KOROGI 600K 3 1/2 パドック 19万円
KOROGI 420KE 3 1/2 パドック 28万円
KOROGI 450K 3 1/3 パドック 28万円
KOROGI J420K 3 1/2 パドック 29万円
YAMAHA YM35G 3 1/2 パドック 30万円
KOROGI J420R 3 1/2 パドック 32万円
YAMAHA YM41 4 パドック 33万円
KOROGI SE650K 4 パドック 36万円
KOROGI 650DX 4 ローズウッド 38万円
KOROGI 653K 4 1/3 パドック 38万円
YAMAHA YM410F 4 アクースタロン 40万円
YAMAHA YM46 4 1/3 パドック 40万円
KOROGI SE653K 4 1/3 パドック 41万円
KOROGI SE650R 4 ローズウッド 42万円
KOROGI 650R 4 ローズウッド 43万円
KOROGI 653R 4 1/3 ローズウッド 43万円
ADAMS ADMSPA40 4 パドック 44万円
KOROGI 660DX 4 1/3 ローズウッド 45万円
YAMAHA YM410 4 ローズウッド 47万円
KOROGI SE653R 4 1/3 ローズウッド 47万円
SAITO MS60P 4 1/3 パドック 47万円
YAMAHA YM460F 4 1/3 アクースタロン 50万円
KOROGI 660R 4 1/3 ローズウッド 51万円
Alternate Mode malletKAT Express GS 2 ゴム 54万円
KOROGI 660R 4 1/3 ローズウッド 56万円
YAMAHA YM460 4 1/3 ローズウッド 57万円
SAITO MS60R 4 1/3 ローズウッド 57万円
KOROGI SE660R 4 1/3 ローズウッド 58万円
KOROGI UM700 4 ローズウッド 63万円
KOROGI SE700 4 ローズウッド 63万円
KOROGI LV700 4 ローズウッド 65万円
Alternate Mode malletKAT PRO GS 3 ゴム 67万円
KOROGI UM750 4 1/2 ローズウッド 70万円
Alternate Mode malletKAT Grand GS 4 ゴム 73万円
KOROGI UM800 4 1/3 ローズウッド 73万円
KOROGI SE800 4 1/3 ローズウッド 74万円
KOROGI LV800 4 1/3 ローズウッド 75万円
SAITO MS2500 4 1/3 ローズウッド 75万円
KOROGI SE850 4 2/3 ローズウッド 78万円
KOROGI UM850 4 3/4 ローズウッド 78万円
Alternate Mode malletKAT Grand GS + Expander 5 ゴム 85万円
KOROGI LV850 4 2/3 ローズウッド 91万円
KOROGI SE1200FC 4 1/2 ローズウッド 99万円
KOROGI UM1200FC 4 1/2 ローズウッド 100万円
KOROGI PF850 4 2/3 ローズウッド 111万円
KOROGI LV1200FC 4 1/2 ローズウッド 114万円
ADAMS ADMSHA43 4 1/3 ローズウッド 121万円
KOROGI SPN1200FF 5 ローズウッド 122万円
YAMAHA YM4600A 4 1/3 ローズウッド 123万円
YAMAHA YM4900A 4 1/2 ローズウッド 127万円
KOROGI LV2400CC 5 ローズウッド 128万円
KOROGI LV2400CC 5 1/2 ローズウッド 128万円
ADAMS ADMCHA43 4 1/3 ローズウッド 129万円
KOROGI LV2400CF 5 1/2 ローズウッド 132万円
KOROGI UM1500FC 4 1/2 ローズウッド 134万円
KOROGI UM1500FF 5 ローズウッド 139万円
KOROGI SE2400CC 5 ローズウッド 146万円
KOROGI PF1500FC 4 1/2 ローズウッド 150万円
KOROGI SP2400CC 5 ローズウッド 155万円
KOROGI SE2400CF 5 1/2 ローズウッド 155万円
KOROGI SPN2400CC 5 ローズウッド 159万円
KOROGI PF1500FF 5 ローズウッド 160万円
KOROGI SPN2400CF 5 1/2 ローズウッド 167万円
YAMAHA YM5100A 5 ローズウッド 170万円
KOROGI UM3000CC 5 ローズウッド 173万円
KOROGI PF3000CC 5 ローズウッド 178万円
KOROGI SP3000CC 5 ローズウッド 180万円
KOROGI UM3000CF 5 1/2 ローズウッド 181万円
KOROGI SPN3000CC 5 ローズウッド 190万円
YAMAHA YM5104A 5 1/2 ローズウッド 200万円
KOROGI SPN3000CG 5 3/5 ローズウッド 201万円
KOROGI PF3000AC 5 1/3 ローズウッド 210万円
KOROGI SPN3000AC 5 1/3 ローズウッド 220万円
KOROGI PF3000AF 5 2/3 ローズウッド 220万円
KOROGI SPN3000AF 5 2/3 ローズウッド 227万円
KOROGI PF3000CF 5 1/2 ローズウッド 233万円
YAMAHA YM6100 5 ローズウッド 234万円
MARIMBA ONE 9905 5 ローズウッド 280万円
ADAMS ADMAHA50A 5 ローズウッド 363万円

１０．参考：木琴、マリンバ、シロフォン（シロホン）、バスマリンバの違い

いわゆる木琴の中で特によく使われるものとしてマリンバとシロフォンという２つの楽器があり、マリンバはより大型で深みのある音色が特徴的で、シロフォンはより小型でかわいらしい音色が特徴的です。この違いは鍵盤の調律や使われるマレット（ばち）の違いによって生まれます。

１１．参考：中古のマリンバ

楽器店経由、あるいはフリマアプリ経由で中古でマリンバを購入することができます。万が一不良があったときにメーカーのサポートを受けられるかは確認しておいた方が良いでしょう。

１２．参考：試奏

試奏することによって音色を聴き比べたり不安を解消したりすることができます。楽器店、スタジオ、教室での試奏も可能ですが、メーカーが開催している試奏会は製造元に直接質問をしたりブランドの信用力を確認したりすることができるため特におすすめです。

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【2024年版】マリンバ・ヴィブラフォンを購入できるお店一覧

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大阪の楽器店：三木楽器

全国から購入可能な楽器メーカー：Alternate Mode Japan

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【2024年版】マリンバ購入ガイド｜価格、音量、音域、自宅環境などに応じたおすすめを紹介

１．音量（音出しの可否）

２．音域

３．スペース

４．鍵盤の素材

５．ブランド

６．可搬性（持ち運びのしやすさ）

７．大きな違いのない要素

８．他に必要になるもの

９．マリンバの価格一覧

１０．参考：木琴、マリンバ、シロフォン（シロホン）、バスマリンバの違い

１１．参考：中古のマリンバ

１２．参考：試奏

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